周りの視線が気になり、人の気持ちを必要以上に察してしまうHSPさんは、人間関係でうまくいかないと感じることが多いのではないでしょうか。
私自身もその一人で、どうしたらもっとラクに人間関係を構築できるのか、どうしたら人間関係のストレスが少なくなるのか、試行錯誤してきました。
今回は、試行錯誤の中で発見した「今の自分を受け入れながら、極限までストレスを減らして人と付き合う方法」をお話しできればと思います。
「HSP気質が障害となって人間関係に悩みが多くてしんどい」、「人と関係構築をすることに人一倍苦労する」など、私のように苦しんでいる方にぜひ最後まで読んでもらいたいです。今よりもラクに人間関係を構築できるようになるはずです。
【体験談】人間関係がうまくいかないエピソード5個
HSPさんは、どんな時に人間関係がうまくいかないと感じるのでしょうか?具体エピソードとともに整理をしてみました。
①高圧的な人に萎縮しすぎる
②周りに合わせて話を盛る
③予定があると嘘をついて罪悪感
④飲み会のあとに一人反省会
⑤考えすぎて距離を置いてしまう
それでは1つずつ、詳しくお伝えしていきます。
①高圧的な人に萎縮しすぎる
主には年上の方が多いのではないでしょうか。私の場合は例えば、大学時代のアルバイト先の店長が高圧的で苦しかった思い出があります。社会人になってからも、職場の上司が高圧的で苦手だったことも数回…。その度に逃げてきた自分がいます。
高圧的というのは、一方的に指示を出されたり、そうしないとおかしいとまで言うような口調で怒られたりすることをイメージしています。人付き合いがうまい人だと、高圧的な人に対してもうまく聞き流したり交わしたりできるのでしょうが、HSPの私にはそれができませんでした。高圧的な人の話を受け入れすぎて、鵜呑みにしすぎてしまっていました。
他には、同年代や年下の人であれば、気が強い人が苦手です。年上の人だけではなく、こういう人と一緒になると、自分の意見や気持ちが全く言えなくなります。
②周りに合わせて話を盛る
複数人で話が盛り上がっている時、自分だけ少し意見が違うな、思っていることが違うな、と思うこともありますよね。きっと人付き合いがうまい人は、「でも私は〇〇だよ」と素直に伝えられるのでしょう。
HSPさんはそれができない方が多いのです。例えば、大学時代の友人同士で思い出話に花を咲かせている場面を思い出してみてください。「あのイベント本当に楽しかったよね〜」という話で持ちきりのところ、実は自分はそれほど楽しめていなかったという苦い思い出がある場面です。
そんな時も、「そうだよね、あれすごい楽しかったよね。」と、当時の自分の気持ちを盛りながら、話を合わせてしまいます。
③予定があると嘘をついて罪悪感
②のように、うまく周りに話を合わせようとしすぎて、だんだん自分の本当の気持ちが分からなくなり、話を盛ったり合わせたりしている自分にも嫌になり、その場にいるのが苦しくなります。
一次会の時間もそろそろ終了。「次、二次会どこの店にしようか?」と話している時、「ごめん、次予定があるんだよね。」といって逃げるように帰ってしまいます。
居ても立ってもいられず帰ってしまうのですが、「なぜ楽しめないんだろう。」と自己嫌悪に陥ります。
④飲み会のあとに一人反省会
そうして帰りながら、一人反省会の始まりです。飲み会の開始から終了までを脳内再生しながら、その時自分は何を発言し、どんな反応をしていたかを思い出し、「なんであの時あんな風に言ってしまったんだろう」とか、「あの話題の時、面白くない反応をしてしまったかもしれない。もっとリアクションすれば良かった」と、頭の中でぐるぐると再生されます。
飲み会に限らず、職場でもそうです。「あの会議の時、何であんな風に言ってしまったんだろう」などと電車の中で反省会が始まります。
⑤考えすぎて距離を置いてしまう
そんな風に考えすぎてしまうと、「Aちゃん、私と居ても楽しくないかもしれないな」とか、「私と会うより別の予定の方が、Bさんにとっても良いだろうな」と勝手に思い込んでしまい、自分から連絡頻度を落としたり、返信を少し簡素にしてしまったり、AちゃんやBさんと距離を置いてしまうような行動を取ってしまいます。
そして、そんな行動を取ったことを後悔する、といった無限ループです。
HSPさんが人間関係がうまくいかない理由4選
そもそもどうして、HSPさんは人間関係がこんなにもうまくいかないことが多いのでしょうか?そこには、共通する特性がありました。
❶周りの目を気にしすぎる
❷嫌われないために同調しすぎる
❸些細なことでも言われたことを鵜呑みにしすぎる
❹誰とでも良い関係を築こうとしすぎる
❶周りの目を気にしすぎる
HSPさんは、必要以上に周りの様子を観察しすぎています。「あの人いま表情変わったな」「あの人いま声のトーン変わったな」「私だけ会話に寄れていない?」など、些細なことでも気が付くことが多く、気になってしまいます。
「自分が楽しければそれでいいじゃん!」の精神を持つことが難しく、少しでも円満な空気が損なわれると、焦って正気ではいられなくなります。
❷嫌われないために同調しすぎる
話が合わないと嫌われる、話に着いていけないと嫌われると思い込み、周りの言動に同調しすぎてしまいます。
リアクションも大きめにしてみたり、無理矢理に笑顔を作ってみたり…無理して頑張っていることが多いので、集まりが解散し、頑張る状況が解放された瞬間に、もうぐったりです。
❸些細なことでも言われたことを鵜呑みにしすぎる
日常生活での自分に対する指摘や意見、仕事での上司や同僚からの何気ない一言を、右から左に受け流すことができず、しっかりと受け止めてしまいます。
HSPさんは、些細な会話の中の一部でも頭から離れないんですよね。それがどんどん積もっていき、最終的にはキャパオーバーになってしまいます。
❹誰とでも良い関係を築こうとしすぎる
全ての人に好かれることは不可能に近いのにも関わらず、皆から好かれたいと思ってしまうのがHSPさんではないでしょうか。
苦手な人であっても、嫌われないようにしなきゃとか、仲良くならなきゃと思ってしまい、頑張ろうとしてしまうのです。でもその間に、些細な一言で傷ついたり、その人のテンションを観察しすぎたりして、疲れてしまいます。
HSPさんがうまく人間関係を築く対処法とコツ4選
そんなHSPさんが、うまく人間関係を築くにはどうしたら良いのでしょうか?私自身が実際に取り組んでみて、人間関係のストレスから随分と解放されるようになった具体的な方法とコツをご紹介します。
⓵空白の予定を入れる
⓶合う人とだけ付き合えばいいスタンス
⓷初対面で違和感を感じたら付き合わない
⓸こんな自分を受け入れる
⓵空白の予定を入れる
人から誘われたら断れないのため、「予定なし」の予定を入れます。私はアプリでスケジュールを管理しているのですが、「一人時間」というタイトルで「終日」に設定して予定を入れます。
または、もう少し具体的に入れることも多いです。例えば「カフェで読書」「買い物」など、実際にその通りに過ごすかどうかは改めて検討すれば良いですが、あくまで「予定なし」の予定を入れるために、スケジュールに入れておきます。
そうすることで、一人時間をうまく確保でき、誰かに誘われても「ごめんね、もう予定があって」と断ることができます。
⓶合う人とだけ付き合えばいいスタンス
疎遠になってしまったら「合わなかったから仕方ない」と思うようにします。時々、「なんであの子は交友関係が広いのに、私はこんなに狭いのだろう」と思うことがあります。せっかく知り合っても、疎遠になってしまうことも多々あります。
そのような時は、「疎遠になってしまった人は、自分との相性が合わなかっただけ。一緒にいても疲れてしまう人と、わざわざ予定を合わせて会う必要もない」と言い聞かせます。そうすると、だんだんと心からそう思うようになります。
私も以前は、交友関係を広げすぎて毎週のように人と会う予定があり、毎週のように疲弊していた生活をしていました。その日々を思い返しては、「それはもう懲り懲りだ」と思えてきます。
⓷初対面で違和感を感じたら付き合わない
初対面で”違和感”を感じたら、それ以上に付き合わないように意識しています。
HSPさんの中には、「なんとなくの勘が当たる」ということはないでしょうか。私も、「初対面で、仲良くなれそうかが分かる。逆に、苦手な人は初対面で勘付く。そして、それは現実になる」という経験を何度もしました。
そのため、初対面で苦手な人だと感じたら、それ以上に距離を詰めないように気をつけています。
⓸こんな自分を受け入れる
最後は、こんな自分を受け入れるということ。結局はこれに尽きるかと思います。
「私は人付き合いが苦手で、人一倍疲れるのだ」と受け入れ、確かに交友関係が広いあの子にも憧れるし、キツい上司の言葉をうまく交わせるあの人が羨ましいけど、私はそれが簡単にできる人間ではないんだ、と認めるだけでも、少し心がラクになります。
最後に〜HSPさんが大事にすべきこと〜
「本当に大事にしたい人を、大事にしたい時に、大事にしよう」ということを、この記事を通してお伝えしたいです。
無理に人付き合いをしなくても大丈夫です。合わない人、苦手な人とエネルギーを注いで付き合うよりも、本当に大事な人を思いやる時間の方が、幸せではないでしょうか?
また、どれだけ大事な人であっても、一人になりたい時もあるし、予定を断りたい時・先延ばしにしたい時だってあります。だからと言って、自分を責める必要はありません。相手のペースに合わせて予定を設定しなくても、自分の会いたい時に声をかけたり、スケジュール調整を後ろ倒しにしたりしても、何も悪いことはないのです。
本当に大事にしたい人にエネルギーを割く、そして、自分自身が”大事にしたい時”に、その人との時間を使う方が、自分はもちろん相手にとっても幸せな人付き合いだと思います。