【当事者も驚愕】HSPは治る?今よりラクになる3つの考え方【HSP治し方】

長年HSPの気質に苦しんでいるHSPさんは、「HSP気質を治したい…」「HSPさえなければ、もっと生きやすくなっていたのに」「HSPな自分が嫌だ」と、悩んでいるのではないでしょうか。

私も、自分のHSP気質を治したいと思い、これまで沢山の本を読んで勉強したり、ネット記事やラジオなど色んな媒体に触れながら知識を深めたりしてきました。

そんな私が驚愕したことがありました。それが、「HSPは治る」のではないかということです。私のように、HSPが辛くて治したい!どうやったらもっとラクになるのか知りたい!という方に、ぜひ読んでいただきたいです。

HSPの概念と3つの特性

HSPの概念と3つの特性

それではまず、HSPとはどんな概念なのか?、HSPとはどんな特性があるのか?について、HSP当事者の私の事例も交えながらお伝えしていきます。

HSPの概念

HSPとは、1996年にアメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士によって提唱された概念で、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の頭文字を取って名付けられました。

HSPは病気や精神疾患として診断されるものではなく、生まれ持った個人の気質であるとされています。HSPの気質を持っている人の割合は、人口全体の15〜20%程度で、5人に1人が当てはまるとされています。

HSP気質を持った方は、日常に起こるさまざまな刺激に対して、HSPでない方にとっては大したことがない事柄であっても、HSP当事者としては非常に敏感に反応してしまうため、理解や共感を得ることが難しく、生きづらさを感じやすいのです。

HSPの3つの特性

アーロン博士は、HSPの気質を持った方を、感覚処理感受性が高い人と定義しています。感覚処理感受性とは、周囲の環境からの刺激によって、感受性がどの程度高まりやすいのかを測定するものです。

HSPを4つの特性で説明した「DOES(ダズ)」という言葉をご存知でしょうか?アーロン博士はこの説明に加え、感覚処理感受性を3つの因子に分類されるとしています。

この特性が非常にシンプルで分かりやすいため、ご紹介します。

低感覚域(ていかんかくいき):感覚閾値が低い。小さな刺激でも反応しやすい、気になりやすい
易興奮性(いこうふんせい):刺激に対しての反応性が高い。情報が自分の中に入ってきすぎてキャパオーバーになりやすい
美的感受性(びてきかんじゅせい):芸術や音楽などの美的な刺激にポジティブな影響を受けやすい

「低感覚域」は例えば、大きな音や眩しい光、強い匂いを敏感に感じやすかったり、ビクッとしやすかったりといった特徴です。具体的には、外の騒音や、家の中の時計の針や換気扇の音が気になると集中力を失ったり居心地が悪くなったりします。他にも、スマホの明かりは一番低くしないと明るすぎると感じたり、急に話しかけられたりするとオーバーリアクションに驚いたりしてしまいます。

「易興奮性」は例えば、短時間に多くのことをしなければならないと緊張するであったり、一度に沢山のことが起こっていると不快に感じたりします。具体的には、大勢の人と一緒に居たり、人混みにいたりするとすぐに疲れて一人になりたかったり、他者に見られていると思うと緊張や動揺でいつもの力を発揮できなくなったりします。

「美的感受性」は例えば、芸術や音楽に深く感動することです。そういったものに対し、ポジティブな影響を受けやすいのもHSPの特性です。

「低感覚域」と「易興奮性」が高いと、人生に対する満足度と自尊感情が下がる。一方で「美的感受性」が高いと、人生に対する満足度と自尊感情が高まると言われています。

HSPは治るのか?

HSPが治ったら、もっと生きやすくなるのに

私を含め、HSPを治したい!と思っている方は多いと思います。ただし、HSPはあくまでその方が生まれ持った気質であるため、病気や障害のように治療の対象にはなりません

それでも、HSPさんにとって希望となる事実がありました。詳しくお伝えしていきます。

HSP傾向は加齢とともに緩和する
HSPは加齢により精神的豊かさをもたらす

HSP傾向は加齢とともに緩和する

HSPは加齢とともにその傾向が緩和すると言われています。正確には、先ほどご紹介した3つの特性のうち、「低感覚域」と「易興奮性」の特性が減少すると言われています。

「治る」という表現は少し誤解があるかもしれませんが、加齢とともにHSP傾向が減少するという事実に、希望を持てます。私はこの事実に、大変驚愕しました。

余談ですが、”歳をとると鈍感になっていく”と聞いたことがありませんか?目が見えにくくなったり耳が聞こえにくくなったり…。そう考えると、納得する気もします。

HSPは加齢により精神的豊かさをもたらす

さらに、HSPの特性のうち「美的感受性」は、加齢とともに上昇すると言われています。「美的感受性」は、他の2つの特性と異なり、ポジティブな特性です。このポジティブな特性が、歳をとるにつれてどんどん増していくというのは、嬉しいことですよね。

芸術や音楽に感動する精神的な豊かさをもたらす「美的感受性」を、今よりももっと感じやすくなるのは、なんだか幸福度が上がる気がします。

HSPさんの日常の3つの対応方法

HSPさんの日常の3つの対応方法

年齢を重ねるにつれて、HSP気質が緩和することは理解ができました。一方で、現状の日々がつらく苦しいことには変わりありません。病気や障害ではないからこそ、治療法を探すのではなく、HSPの特性とうまく付き合っていく必要があります

そのような中で、日常でHSP特性とうまく付き合っていく対応方法を3つご紹介します。

①自己理解を深める
②無理をせず逃げる
③自分の幸せリストを作る

①自己理解を深める

一つ目は「自己理解を深める」です。自分はどんな時に苦しくなるのか?どんな時がつらいのか?、具体的な状況やエピソードを書き出してみてください

自分が苦手なことを理解するだけでも、苦手な出来事や状況に出くわす前に予測ができるので、心の安定につながります。

HSPの特徴12個をご紹介した記事もありますので、自己理解を深める参考にしていただければと思います。

②無理をせず逃げる

つらい時苦しい時は、無理をせず逃げることも必要です。周りの視線が気になったり、責任感が強かったりするHSPさんなので、必要以上に我慢をしてしまったり、まだ大丈夫と言い聞かせ続けてしまったりしていませんか?

あなたが我慢していることは、もしかしたら普通の人であれば既に逃げ出している状況かもしれません。「既に頑張っている」自分を認め、その状況に無理をせず、逃げて自分を守ることも大切にしてください

③自分の幸せリストを作る

そして、自分が幸せになる瞬間を見つけて「幸せリスト」を作りましょう。例えば、「今日の夜ご飯も美味しく作れた!」「今日の夕焼け空も綺麗だった!」「今日も1日仕事をしてえらい!(という充実感)」など。

<わたしの幸せリスト>
・夜ご飯を美味しく作る
・綺麗な夕焼け空を見る
・1日仕事をやり切って充実感を感じる

この時、自分ではコントロールできない瞬間は、リストに載せるには好ましくないかもしれません。例えば「今日の夜ご飯、家族がみんな美味しいと言ってくれた!」「今日の仕事でお客さんに褒められた!」などです。

もちろんこれらの幸せを噛み締めることは大切ですが、自分が幸せになる瞬間としてリストに載せるには、少し不安定です。

今よりラクになる3つの考え方

HSPさんが今よりラクになる3つの考え方

最後に、HSP気質でつらいと悩む方に向けて、今よりラクになる3つの考え方をまとめます。

❶HSPのつらさがずっと続くわけではない
❷日常の3つの対応方法を大事にする
❸病気でもないのにHSPという概念がある意味を考える

❶HSPのつらさがずっと続くわけではない

先述の通り、HSPの傾向は加齢とともに緩和されていきます。今はつらく苦しいかもしれませんが、このつらさがずっと続くわけではありません。また、人生をより幸福にしてくれる「美的感受性」、つまり、芸術や音楽への感動の大きさは、加齢とともに高まっていくのです。

「いつかはこの苦しみも、過去の経験になるのかもな」、「これからもっと、人生が豊かになるのかもな」と思えると、少し気持ちがラクになりませんか?

❷日常の3つの対応方法を大事にする

とはいえ、今目の前にある日常のつらさには変わりありません。日常でHSP特性とうまく付き合っていくために、3つの対応方法をご紹介しました

<日常の3つの対応方法>
・自己理解を深める
・無理をせず逃げる
・自分の幸せリストを作る

これらを実践しながら、HSP特性とうまく付き合えるようになれば、今よりもラクになるはずです。

❸病気でもないのにHSPという概念がある意味を考える

私が初めてHSPの概念を知った時、「病気でもないのなら、どうしてこんな概念があるのだろう」と疑問に思いました。今思うと、「いっそのこと、病気と診断されて治療されたいよ」とも感じました。

それでも私は、HSPという概念があることに何度も救われました。日常生活を送る中で、「どうして私はこうなんだ」とつらく不甲斐なく思う時、ネットで検索すると、それはHSPの特性が要因だと分かるのです。そうすることで、「私だけじゃないんだ」と思えました。

私たちHSPさんが、そのつらさや孤独感を少しでも和らげ、適切な対応を取り少しでも生きやすくなるために、HSPという概念は存在するのだと思います。