【休職・離職はポジティブ体験!?】キャリアブレイクという考え方

休職や離職をしていると、その期間を”悪いもの”、”恥ずかしいもの”だと捉えていませんか?

私自身も、適応障害の診断で休職を経験し、「なんでこうなってしまったんだ…」と自己嫌悪に陥っていました。同じような気持ちを抱えて苦しい思いをしている方に、「休職・離職は前向きに捉えるべき期間!」と思ってもらえるよう、キャリアブレイクという考え方をお伝えします。

そのような前向きな気持ちにさせてもらえたのが、ある本を読んだことがきっかけでした。それは、北野貴大さんが書かれた「仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢」という本です。

本では、休職や離職をする人は、「弱者」なのではなく「転機」なだけと書かれています。まず、この言葉に本当に救われますよね。

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日本は、キャリアに穴ができることが異常に悪とされている気がします。大学は4年で卒業しないといけない(4年生大学の場合)、卒業後はすぐ就職しなければいけない、転職するのなら退職後すぐ入社しなければいけない(離職期間を作ってはいけない)などです。休職はというと、キャリアに傷がつくから悪…といった空気もありますよね。

もしこの記事を読んでくださっているあなたも、そんな風に感じていて辛い思いをしていれば、ぜひこの記事を最後まで読んでいただきたいです。「休職や離職は、人生に必要なものなんだ」、「より幸せな人生を送るために大切な時間なんだ」と感じられるようになります。

キャリアブレイクについて

キャリアブレイクとは

キャリアブレイクとは、本には下記のように書かれています。

キャリアブレイクとは、離職や休職のことで、キャリアの中にあるブレイク期間のこと。ヨーロッパやアメリカでは一般的な言葉である。

北野 貴大 著『仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢 次決めずに辞めてもうまくいく人生戦略』KADOKAWA 2024

これも本に書かれていたことなのですが、転職者全体の73.9%の人が離職期間があり、1ヶ月以上の人に絞っても46.3%いるそうです。実は日本でも、離職期間があることはそこまで珍しいことではないのです。

HSPのキャリアブレイクタイプ

本の中では、下記の4つのキャリアブレイクのタイプがあるとされています。

LIFE型GOOD型SENSE型POWER型
CB理由出産・育児働きづらい文化中毒挑戦
人の特徴一時的に働く以外に重点。特性やトラブル。
働き方を模索。
素直で従順。
感性がある。
私の人生まだいけるはず。
ゴール社会接続うまいこと働く私らしく働く可能性爆発
引用元:4つのブレイクタイプ キャリアブレイク研究所のnoteより

私のようなHSP気質をもった人は、2つ目のGood型とされています。

入社する前はわからなかったけど、働いてみて分かることもあり、小さな擦り傷を負いながら働き方を模索している人が、擦り傷が増えすぎて疲れてしまい、その中で休職や離職を使って、心身の改善と自分の客観視、Goodに働ける環境を模索するキャリアブレイクのこととのことです。

働き続けることは大変なこと

適応障害になり休職してみて感じたのですが、働き続けることって、本当に大変なことですよね。

毎日同じ時間に起きて、満員電車に乗って会社に行き、ランチ時間も取れないまま退社まで働き続け、帰宅後はご飯を食べてシャワーを浴びたら寝る時間。これを週5日。さらに、”成果を早く上げたければ自己研鑽!”などと言われ、土日も自己研鑽に時間を使っていたら、一向に休む時間なんてありません。

キャリアブレイクなしに、ずっと働き続けることは大変なことであり、決して当たり前のことではありません。

海外ではキャリアブレイクは当たり前!?

海外の方は、キャリアブレイクはごく普通の経験と捉えている方が多いように思います。

私は、大学時代にワーキングホリデーというビザを使い、1年間フランスに住んでいたことがあります。

ワーキングホリデービザ(以下、ワーホリ)というのは、現地でアルバイトのようなことをしながら、1年間その国に住み続けることができるビザのことです。

その時出会ったフランス人の中で、キャリアブレイクの経験がない方はほとんどいなかった気がします。

例えば、”日本が好きなフランス人が、ワーホリビザを使って仕事を休職して日本に渡航する”、”キリスト教信者のフランス人が、巡礼のために離職する”、”外国好きなフランス人が、20代のうちにワーホリビザを使い倒すために離転職を繰り返す”、などのキャリアブレイクの使い方がありました。

日本でもキャリアブレイクが、昇進や異動、転職などの転機と同じように、身近な選択肢として認知されると良いのになと思いました。

キャリアブレイクの体験談のご紹介

キャリアブレイクの体験談

私は実際、キャリアブレイクを3回体験しました。1回目は新卒で入社した会社を退社してから、次の会社に入社するまでで、有休消化を合わせて3週間ほどでした。

2回目は、2社目から現職(3社目)に入社するまでで、約2ヶ月半ほどでした。そして現在の3回目は、2ヶ月ほどの休職期間になります。

初めてのキャリアブレイクの際は、3泊4日の旅行に出かけたり、引っ越し先の近所を散歩したりして、仕事をしていた時にはできない過ごし方をしました。

2回目のキャリアブレイクの際は、時間がたっぷりあったので、カウンセラーの勉強をしたり、本を読んだり自己内省をしたりして、自分と向き合う時間を沢山取りました。これも、仕事中にはとてもできないことだったと思います。

現在3回目のキャリアブレイクでは、適応障害発症後の休職期間のため、まずは心身を休めるところから始めました。最近は、こうして自分の体験を発信をしたり、同じように悩んで苦しんでいる方の力になれるような活動をマイペースに進めたり、自分の価値観や生き方について再考しています

キャリアブレイクをする意味

離職、休職期間はとても貴重な時期です。「自分の人生をどうしていきたいか?」、「何が自分の幸せか?」など、人生について考える機会を確保することは、仕事をしながらだとかなり難しいと思います。

だからこそ、キャリアブレイク期間を作ることで、自分と向き合う時間を物理的に確保することにもなります。そして、そのような時間こそ、人生を変えるきっかけになると思うのです。

キャリアブレイクをすることで、自分と向き合う時間を物理的に確保できる
そして、そのような時間こそ、人生を変えるきっかけになる

仕事をしながら人生を考え、少しずつ人生の方向を目指す方向に軌道修正できる器用な方であれば別ですが、そうでもないと、自分の人生を深く考え直すこともなく、今の会社で働き続ける選択をしてしまうと思います。

それが悪いことではなく、もちろんその道が今考えられる最善の道だという場合は、とても幸せなことだと思います。しかし、何か違和感を感じながら働いている場合や、最善とは思わないけれど、他の選択肢を考えるのも面倒なので働き続けているという場合は、キャリアブレイクをして、一度立ち止まってみることも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか

キャリアブレイクで考えておくべきこと

キャリアブレイクで考えておくべきこと

キャリアブレイク期間は、自分の人生に向き合う時間としてマイペースに過ごせばよいですが、その中でも考えておいた方がよいこともあります。

それは、自分の能力(できること)と価値観についてです。

能力(できること)とは

まずは能力(できること)ですが、これはプログラミングのスキルとか、TOEIC何百点、などといったことを指すのではなく、他の人と比べて頑張らなくても自然にできることを指します。

例えば、「人の話を遮らずに聴ける」なども能力(できること)に含まれます。

価値観とは

次に価値観というと、自分が人生や仕事において大切にしたいことを指します。

これらを言語化することで、再度転職する際に自分を表現する武器になるし、復職する場合は改めて働くモチベーションになります。会社に所属しない選択をしたとしても、どのような道でやっていくのかを決める材料になります。

まとめ

改めてですが、離職や休職も含めて、すべてがその人のキャリアであり、個性であり、生き方なんだということをお伝えしたいです。

”キャリア=仕事”というイメージがあるため、「仕事人生を生きる上で、離職や休職は大丈夫なのか?」と思い込んでしまいますが、仕事だって人生の一部でしかないのです。

そう考えた時、人生に「空白期間」など存在しなくて、全ての生きている時間が意味のある時間なのだと思います。