心療内科と聞くと、抵抗感やハードルを感じる方も多いのではないでしょうか。私もそうでしたので、とても気持ちが分かります。
それでも、心と体が限界を迎えてどうしようもない方、またはパートナーやご家族の方が心身の健康を崩され、心療内科の受診を勧めようとしている方もいるかもしれません。
今回は、心療内科の受診手順と受診目的についてお話しができればと思います。現在心療内科の受診を検討している方、受診を検討しているけれど色々と不安を感じている方が、心療内科を受診することへの不安が少しでも軽減したり、安心して受診できる気持ちになったり、受診の検討材料になるような記事にできたらと思っていますので、ぜひ最後までご覧ください。
心療内科の受診手順
最近は心療内科の受診が一般的になっているのか、予約を取ることが難しくなってきています。受診手順は下記です。
・初診の場合は、事前予約が必須
・当日の予約はいっぱいなことが多い。可能であれば2〜3日前の予約がおすすめ。
・当日の予約をする場合は、3〜4カ所ほど病院をピックアップして電話で予約。
・ネット予約対応の病院もあるけれど、当日予約は難しい場合が多い。
・2回目以降の受診は、予約不要なこともある。
初診の場合は、まずは事前の予約が必要になることが多いです。予約は、多くの場合は電話予約が多いと思います。
私の場合、受診した前日の夜に、「もう明日から仕事にいけない」となってしまい、翌日の朝、心療内科が開く時間に合わせて、予約の電話をしました。ただし、最初に受診をしようと思っていた心療内科は、当日の予約はいっぱいでできないと言われてしまい、その後別の病院も電話してみましたが予約できず、4回目に電話した病院で、初めて予約ができました。
その場合も、その場での予約はできず、電話に対応してくれた受付の方に、「一度先生に確認をして、空きがあれば予約できます」と言われ、15分ほど待った後に折り返し電話がかかってきて、「今から来れますか?」と言われてようやく予約がとれた形です。
比較的都市部にある心療内科では、ネットでの予約ができるところもあるみたいですが、予約サイトをみると、やはり当日の予約はいっぱいになっている所が多い印象です。
ちなみに、私が通院している病院は、2回目以降は予約は不要で、担当の先生が空いている日時に行く形です。
心療内科を受診する理由・目的
なぜ、何のために受診をするのかは、その人の事情により様々だと思いますが、下記のような目的が考えられるかと思います。
・今の自分の症状を専門の先生に伝えて、客観的に自分を知るため
・知ることによる安心感を得るため
・診断書をもらって休職の手段を得るため
・治療のための薬をもらうため
私の場合、まず現状を先生に話して意見をもらうだけでも安心できたし、仕事を休むには多くの会社が医師が病名を記載した診断書(私の場合は適応障害と記載された診断書)がないと休職の手続きは難しく、休職するための手段でもありました。
その他は、症状によっては薬を処方してもらいます。私は、別の病院で頭痛薬をもらっていたので、心療内科では不安を抑える薬を処方してもらいました。もし眠れないなどの症状がある方は、睡眠を促す睡眠薬を処方してもらえることもあると思います。
余談ですが、私は心療内科で薬をもらうことに少し抵抗がありました。理由は、薬の副作用として妊娠しにくい体になってしまったらどうしようと考えたからです。
ただし、こちらに関しても、薬の程度によってはほとんど影響がないものもあるとのことですし、先生に相談できることなので、少しでも不安がある方は心療内科の先生に相談するとよいと思います。
心療内科を受診する時の注意点4つ
ここでは、心療内科を受診する時の注意点を4つお伝えします。事前に確認することで、スムーズな受診につながれば幸いです。
・予約が取りづらい
・先生に伝えたいことを事前にメモ
・現金を用意する(1万円弱程度)
・口コミや星の数で怖くなりすぎないように
予約が取りづらい
当日予約が取れない病院も多いため、いくつか事前に候補の病院をピックアップしておくと安心です。私の場合は、4〜5個目星をつけていました。もし少し余裕がある場合は、心療内科を受診したい日の2〜3日前に予約をしてください。
先生に伝えたいことを事前にメモ
私はしていなかったのですが、もし先生に伝えたいことを事前にメモしていけば、もっと色々な話ができたかもしれないなと思っています。
心療内科を受診する時は、メンタルもズタボロだし、話している時に涙も止まらないし、自分でも何が原因でこうなってしまったのか、理解できているようで言葉にできない状態だと思います。私も、診察時は支離滅裂に話してしまいました。
もちろん先生はそれも踏まえて丁寧に話を聞いてくださるし、同じような患者さんもきっとたくさん診てきていると思うので、理解もしてくださったのですが、もし可能であれば、今辛い原因はどんな所にあると考えているのかや、今の体調・気持ちを事前にメモしていくと、伝え忘れもないと思います。
ただこれは、余裕があったらのお話しです。私も心療内科を受診した当時は、余裕は全くなかったので、無理はしなくていいと思います。
加えて、私の場合は受診する当日、夫が休みをとって心療内科に着いてきてくれました。そして、診察室にも一緒に入れたので、私が話せなかった部分や、客観的にみて私の状況はどうなのかなど、補足で話してくれました。
もし一緒に住んでいるご家族やパートナーがいる方で、一緒に着いてきてくれる方がいれば、診察室に一緒に入れる場合もあるので、それもおすすめです。
現金を用意する(1万円弱程度)
直近病院に行った方や通院をしている方にとっては当たり前のことかもしれないですが、病院は現金しか使えない所が多いので、要注意です。
私も普段現金を持ち歩かない人間で、かつそこまで頻繁に病院に行くタイプでもなかったので、忘れそうになったのですが、気をつけておいた方がいいポイントです。
そして、実は診断書の発行に結構なお金がかかるんですね。私の場合は、適応障害の診断書の発行に3,300円かかりました。そこに初診料などを加えると、合計で7,000円弱かかりました。そこから薬局でお薬をもらうことを考えると、1万円弱はみておいた方がいいです。
・適応診断の診断書の発行:3,300円
・初診料など:3,000円(3割負担)
・薬局でもらうお薬代:1,000円
正直、結構高いなと思ってしまったのですが、それで心と体の休息を真っ当にとれる権利を得られるのであれば、仕方ないかなと思います。
ちなみに、2回目以降の診断書発行にも同じ料金(3,300円)が必要になります。私は、初診では休職期間2週間で出してもらってたんですね。休みすぎるともう戻れない恐怖と、職場に迷惑がかかるという気持ちで焦りすぎて、2週間にしました。結果的に、なかなか回復とか気持ちとかが追いつかなくて、延長して1ヶ月にしてもらってるんですが、その際の延長のための診断書発行もお金がかかるので要注意です。(産業医の方によると、初回は1ヶ月の休職をする方が多いみたいです。)
口コミや星の数で怖くなりすぎないように
口コミというのは、グーグルの口コミです。飲食店などに行く際、グーグルの点数を見て場所を決めることもあると思うのですが、心療内科はグーグルの評価が低めなところが多いです。
もちろん人によると思いますが、例えば飲食店だと、星4以上だととても評価がいい、3.5以上だと安心、というような見方をしませんか?私が候補に上げていた病院は、星の数が2や3などの所が多かったです。
それもあり、当初は心療内科を受診することをためらっていたのですが(受診して、嫌なことを言われて傷付いたらどうしよう、などと考えて怯えていました。)口コミの中身をよくよく見てみると、人によって評価の付け方が幅広いなと気付きました。評価が高い方もいれば、低い方もいるといった感じです。
実際、私も評価2.5の病院を受診したのですが、とても良い病院でした。先生も優しいし、受付の方も良い方だし、待合室も静かだけど入りづらい感じもない雰囲気でした。
心療内科は、星2.5でも良い病院(先生も受付の方も優しい)もある。
待合室の雰囲気も◎。静かだけど入りづらくない雰囲気。
今になって思うのですが、やはりメンタルが辛い時は、少し攻撃的になって口コミを書いてしまうこともあると思うのです。だから、口コミや星の数はあまり気にしすぎなくていいと思います。
それに、もし診察を受けてみて合わないなと思ったら、診断書はもらわずに診察だけ終えて、別の病院を探せばいいと思います。(初診で病院に向かう途中、夫にこう言ってもらい少し気持ちが和らぎました。)
もし、初めて行った病院が合わないとなると、もちろん心のダメージも大きいですが、病院は一つではないですし、合う合わないがある気がします。
精神科との違い
メンタルの不調で病院を受診しようと思う時、心療内科か精神科か、どちらか迷うと思います。調べてみると、下記のような違いがありました。
心療内科と精神科いずれも「こころが原因の病」を治療するが
引用元:【医師監修】精神科と心療内科の違いをわかりやすく解説
精神科はこころの不調そのものに、
心療内科は心が原因の心身の不調に対処します。
調べてみて思ったことは、「どちらの症状もあるなぁ」ということです。そのような場合は、心療内科と精神科がどちらも含まれている病院を受診するといいかと思います。
また、もし別の病院を受診した方がいいなどあれば、診察の際に先生から提案もしてくれると思うので、まずは自分が行きやすい病院を受診しても問題ないと思います。
最後に
受診してみて思ったことは、心療内科は意外に受診しやすいということです。
そのため、もし今受診を検討しているけど、不安だなとか行きづらいなと思っている方がいれば、安心して受診しても大丈夫だということをお伝えしたいです。
私も初めて行く時は不安で、道中も泣きながら病院に向かっていましたが、行ってみれば意外に入りやすく、人の数も程よくいて、普通の病院と変わらないなと思いました。
安心して受診できる材料になったり、不安が少しでも軽減されたりすることのお役に立てていれば嬉しいです。